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【本】砂原茂一 著 「リハビリテーション」

本の感想や雑感など

昨日から本棚整理をしていますが,ついつい中を見てしまいなかなか進みません。。。

今回は,理学療法士として働き始めてから読んだ本で,自分の基幹となる部分にまだ残っている本を紹介します。

砂原茂一著 「リハビリテーション」 岩波新書

1980年に出版された古い本ですが,今読んでもたくさんの気づきがあります。
リハビリテーションという分野にどういう流れがあって現在があるのかということ,
根底にある哲学は何かということ,
そういったことをこの本は教えてくれます。
心にとまった言葉を載せておきます。

予防や治療の医学が進むほど障害の比重は減る。だが,障害は無くなる事はなく,生存率の上昇,長寿により今後更に増えていく。

リハビリテーションへの需要は非常に大きくなってきています。それに伴い理学療法士の人数も増えていますが、現状に場当たり的に対応しているにすぎないように思います。かつてない高齢化社会という未知の状況の中でなにが私たち理学療法士にできるのかを考えなくてはなりませんね。

予防の医学という点では、運動器疾患に関してまだ霧の中という感じがあります。科学的根拠が乏しい予防策がはびこっていて、よりよい方向へ向かって行く流れがまだできていないような。。

 

リハビリテーションとは人間であることの権利,尊厳が何らかの理由で否定され,人間社会からはじき出されたものが復権すること。

障害者が自ら人間としての価値を積極的に肯定し,社会もそれを尊重することに重点

リハビリテーションの語源、Re Habilisとは再び適した状態になる、本来あるべき状態になるという意味があります。復権と訳されることもあります。障がいを持つ人の復権のためには”本人”と”取り巻く社会”の相互の作用が重要となります。

リハビリテーションの出発点は障害者自身の,正しく障害を受容した上で,自分自身をリハビリテートさせようとする決意。

リハビリ関係者は,全く予期しない障害に突然とりつかれて動転している障害者,世界中に自分ほど不幸なものはないと深く信じ込んでいる障害者に,とにもかくにも障害を受容することを援助しなければならない。そして過大ではない,しかし生きるに値する未来をしっかりと見つめさせて,自ら再起する決意を奮い起こさなくてはならない。

本人の側面としてはまず、生きる意欲を取り戻すことが第一条件。
本人が突然の病苦などで不安や絶望のまっただ中でいるときに関わるリハビリテーション職。対象者が受け身の状態から能動的に生きることができるように元気づけることができるか、希望を見いだすことができるか、そういったことをあの手この手で援助することのできる度量と技量がリハビリ職に求められます。理学療法士としての腕の見せ所でもあり、とても重要な役割です。

障害者の場合は,一般的にいって精神的あるいは身体的能力に劣り,社会寄与力が小さいことは容認しなくてはならないにしても,その故に基本的人権が差別されていいと言う根拠はない。もともと人類社会は色々な能力の人間が集まることによってはじめて成立する。それが「正常」な社会。

現在健常者であっても,病気により,災害により,自分自身がいつ障害者にならないとも限らないし,自分たちの子孫がいつ肢体不自由児や精神薄弱児にならないとは限らない。その意味で,自らを障害者からことさらに差別する理由を見出すことは困難。

社会の側面としては、多様性を認められる社会にすることが重要です。残念ながら日本は多様性を認める風土があまりないように感じることが多いですが。。
多様性を認め、互いに尊重しあい、補い合う。そういった社会がリハビリテーションの土台となります。
 
 
私個人としては、”リハビリテーションは、社会における縦糸”になることができる分野だと思っています。
小さい頃から高齢者までの世代が横糸となり、それをリハビリテーションが縦糸として紡ぐことができる。
世代をつなぎ合わせ
調和させる。

各世代間に自由に動きかけることができる。

ひとはみな、産まれ、育まれ、老い、この世を去る。
リハビリテーション職はその過程を肌で感じられる。

リハビリテーションが社会に充実していれば、障がいを負う事のリスクを軽減できる。

 

世界をより良くするために
広い視点を持って活動していきたいです。

 

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