新潟県高野連が2019年4月の春季新潟大会で投手の球数制限を導入することが話題になっています。
私も高校時代は野球をやっていたので、この流れがどこまで広がるかとても興味深くみています。
個人的には球数制限は大歓迎です。以前に私も青少年野球選手の肩肘ケガのリスクについての文献をまとめましたが、最新のシステマティックレビューでも試合での球数の多さや腕の疲労がケガのリスクを高めることが明らかになっています。
ケガのリスクが高いことがわかっていながら、何の対応も行わないというのは問題があるのではないでしょうか。私が勤務しているクリニックでも野球で肩肘をケガする子が来ますが、疲労している中で投球を続けケガをして結果的に投手をあきらめなければならなかった選手も少なからず知っています。
新潟県高野連の球数制限は下記のようになるようです。
球数制限は1試合100球。連投による制限はないが、100球に達した場合、それ以降の回では投球できない。
100球という数値は、Major League Baseball and USA Baseball Pitch Smart Guidelines の年齢別投球制限を参考にしたのかと思いましたがどうやら違うようですね。Major League Baseball and USA Baseball Pitch Smart Guidelinesでは投球数に応じた休息日数の推奨も出しています。詳しくは以前まとめたこちらを見てみてください。
休息日数まで設定してしまうと、大会後半で投げられる投手がいなくなってしまうチームが出てきてしまう可能性があるので、さすがにそこまでは設定できなかったのかと思います。
富樫信浩・県高野連会長は「日本高野連には連絡、相談はしていないができることを少しでも前に進めたい。100球への医学的見地はともかく、まず設けてみて、検証だとかを今後考えている」。
今まで何度も議論になっては具体的な対策が立てられていなかった高校野球での球数制限。せっかくやるのだから効果の検証方法についてもあらかじめ決めておいて有益なデータを出してほしいところです。複数の都道府県で協力し、大会期間中の投手のケガの発生や疲労の程度を記録しておき、新潟県と他の都府県のデータを比較する、など方法はいくつか考えられると思います。
大規模にやるとすれば高野連が主導する必要があると思いますが、ぜひやってほしいですね!
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