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変形性膝関節症のリハビリテーション

整形外科/スポーツ関連

膝関節の痛み,お困りの方も多いのではないでしょうか。

膝関節の変形を伴う場合は,変形性膝関節症といいます。
40歳以上の方の変形性膝関節症の有病率は男性42.6%,女性62.4%という報告もあります1)。特に女性は半数以上の方が変形性膝関節症であるというから実にたくさんの人が悩まされていることがわかります。
今回は,変形性膝関節症になってしまう危険を高める原因(危険因子)と予防や症状の緩和のためにできることについてお伝えします。

変形性膝関節症の危険因子
1) 体重

体重が重いと正常体重に比較して変形性膝関節症になる危険が増加するといわれています。

Body Mass Index(BMI) という指標をご存知ですか?BMIとは肥満度を表す指標のひとつです。BMIで変形性膝関節症の危険度合を見てみると,BMI 25.0-29.9の範囲では変形性膝関節症の危険が2.45倍,BMI 30以上では4.55倍となることが分かっています2)
※BMIの計算方法 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2

2) 過去の膝のケガ
過去に膝のケガをしたことがある場合,変形性膝関節症になる可能性が高いことが言われています。特に半月板切除の手術をしている場合は,変形性膝関節症になる可能性が高いので注意が必要です3)

過去の膝のケガは今から変えることはできませんが,体重を減らすことは決意をすればいつでも始めることができます。変形性膝関節症の予防のためにまずは体重コントロールが重要です。すでに痛みが出ている場合も体重をコントロールすることで進行を遅らせつらい症状を緩和できる可能性もあります。実際に体重が減っただけで膝の痛みがなくなったいう方もいます。減量は言うは易し行うは難しでなかなか大変ですが,できることから始めてみましょう。

運動の効果

変形性膝関節症の症状がある場合に減量以外に効果的なことは何でしょうか。最も盛んに言われているのは適度な運動をすることです。最近の研究では,3ヵ月前後の運動プログラムにより痛みの緩和や運動機能の向上,生活の質の向上があるといわれています4)。運動の内容は有酸素運動,筋力トレーニング,バランストレーニングが良いといわれています。週三回程度の運動指導を受けるとより効果が高いようです5)。すでに痛みがある人は,水の中での運動やエアロバイクのような自転車こぎ運動から始めると良いです。無理のない範囲で始めていくことが大切です。

さらに筋力トレーニングや運動指導に加えて, 理学療法士が直接膝の関節を動かす治療を行うことでより痛みを緩和する効果があると言われています6)。膝関節が伸びない曲がらないなど関節の動きが悪くなっている場合は,まず理学療法士のリハビリで膝関節の動きを整えてから運動すると効果的と言えるでしょう。

歩きの姿勢と膝関節の負担について

歩きの際の膝関節にかかる負担と変形性膝関節症の関係が指摘されています。専門的な言葉で言うと体重をかけた時の関節にかかる膝関節内転モーメント,膝関節屈曲モーメントの大きさが膝関節の変形と関係があるようです7,8)


O脚変形が起き始めると,ますます膝の関節の内側に負担がかかり変形が進んでしまいます。また,足首の動きも膝の内側の負担と関連があることも言われています9)。膝が曲がりがちになると歩きの際の体重をかけていく際の負担が大きくなります10)
つまり,まっすぐに伸びてきれいな膝を保つことが将来的な膝の痛みを予防するために重要です。

骨と骨,関節の配列のことをアライメントといいます。ちょっとしたことからアライメントの崩れが起きていることもあります。リハビリではアライメントをチェックしてその人に必要な運動を処方しています。膝のことでお困りの方は理学療法士にご相談ください。

参考文献
1)吉村典子. 本邦における変形性膝関節症の現状.Anti-aging Science. 2015;7(2)

2) Zheng H, Chen C. Body mass index and risk of knee osteoarthritis: systematic review and meta-analysis of prospective studies. BMJ open. 2015;5(12):e007568. Epub 2015/12/15.
3) Richmond SA, Fukuchi RK, Ezzat A, Schneider K, Schneider G, Emery CA. Are joint injury, sport activity, physical activity, obesity, or occupational activities predictors for osteoarthritis? A systematic review. The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. 2013 Aug;43(8):515-b19. Epub 2013/06/13.
4) Fransen M, McConnell S, Harmer AR, Van der Esch M, Simic M, Bennell KL. Exercise for osteoarthritis of the knee. The Cochrane database of systematic reviews. 2015;1:Cd004376. Epub 2015/01/09.
5) Juhl C, Christensen R, Roos EM, Zhang W, Lund H. Impact of exercise type and dose on pain and disability in knee osteoarthritis: a systematic review and meta-regression analysis of randomized controlled trials. Arthritis & rheumatology (Hoboken, NJ). 2014 Mar;66(3):622-36. Epub 2014/02/28.
6) Jansen MJ, Viechtbauer W, Lenssen AF, Hendriks EJ, de Bie RA. Strength training alone, exercise therapy alone, and exercise therapy with passive manual mobilisation each reduce pain and disability in people with knee osteoarthritis: a systematic review. Journal of physiotherapy. 2011;57(1):11-20. Epub 2011/03/16.
7) Juhl C, Christensen R, Roos EM, Zhang W, Lund H. Impact of exercise type and dose on pain and disability in knee osteoarthritis: a systematic review and meta-regression analysis of randomized controlled trials. Arthritis & rheumatology (Hoboken, NJ). 2014 Mar;66(3):622-36. Epub 2014/02/28.
8) Chehab EF, Favre J, Erhart-Hledik JC, Andriacchi TP. Baseline knee adduction and flexion moments during walking are both associated with 5 year cartilage changes in patients with medial knee osteoarthritis. Osteoarthritis and cartilage / OARS, Osteoarthritis Research Society. 2014 Nov;22(11):1833-9. Epub 2014/09/12.
9) Levinger P, Menz HB, Morrow AD, Bartlett JR, Feller JA, Bergman NR. Relationship between foot function and medial knee joint loading in people with medial compartment knee osteoarthritis. Journal of foot and ankle research. 2013;6(1):33. Epub 2013/08/10.
10) Harato K, Nagura T, Matsumoto H, Otani T, Toyama Y, Suda Y. Knee flexion contracture will lead to mechanical overload in both limbs: a simulation study using gait analysis. The Knee. 2008 Dec;15(6):467-72. Epub 2008/09/02.

 

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